その156
【カメ人間日記】
(2007年5月前半)
五月一日(火)
夜は芝居の稽古、というか、ほとんどタップダンスの練習。なにしろ慣れていなくて無駄に力を使うので、すぐに一時間走ったぐらい汗びっしょりになってしまう。
*菜の花とベーコンのスパゲティ、パプリカと水菜と玉葱のサラダ、コールスロー、切干大根と大豆の甘酢漬け、八朔、チーズケーキ。
五月二日(水)
夕方、一時間ほど走る。
*カレーライス、コールスロー、切干大根と大豆の甘酢漬け、味噌汁。
五月三日(木)
*カレーライス、コールスロー、切干大根と大豆の甘酢漬け。
五月四日(金)
ゴールデン落語会に行く。
鷺とり 桂雀太
ちりとてちん 桂あやめ
質屋蔵 桂千朝
ちしゃ医者 桂雀三郎
桂雀太は、前にも書いたが、とてもまっすぐで聴いていて気持ちのいい落語だった。時折のぞく枝雀スタイルが嫌味にならないのは、それが安易な真似ではなく、一門のなかにあるものを孫弟子としてきちんと受け継いでいるからだろう。
桂あやめは開拓者である。もともと男がやるように作られ発展させられてきた落語を、女性がやるにはどうすればいいか、その方法をいちから作ってきたのだ。古典と呼ばれている落語の主人公は全員男性だし出てくる女性もやっぱり男からみた女性である。これ
を女性がやるのはどうしても無理がある。桂花枝のときから、彼女はそのことに自覚的で、それを解決するために女性を主人公にした自作をやるというスタイルを確立した。これはすごいことだと思う。今回の「ちりとてちん」は、それをさらに進めた形で古典を再構築するという試みがなされていた。単に、主人公を女性にしただけではなく、芸者にすることで、ちりとてちん、という題も生きてくるし、嫌味ばかり言うがそれがおもしろいので人気がある別嬪の芸者というキャラクター設定にも無理がない。もとのネタにはない鳴り物の入り方もおもしろかった。
桂千朝という落語家は、昔は、うまいけど地味、というイメージだったのだが、その芸風を推し進めた結果、まったく別のところまで突き抜けてしまった。とにかくもう、テンポも口調も完璧にコントロールされていて、ものすごく長い立て板でも、まったく揺らぐ
ことがない。線が太くて、太いのに細かいところまできちっと描かれている。このスタイルをここまで徹底してやれる人は、他にはちょっと思い当たらない。ひとつの方向にひたすら完成度を高めることによって、それが個性になってしまったという稀有な例だと思
う。「質屋蔵」というネタもその芸風によく合っていた。
というわけで、ここまででも充分、というくらいに満足したところに桂雀三郎の「ちしゃ医者」で、いつもながらなんでこのネタがこんなにおもしろいのかと不思議になるほどおもしろく、登場人物の造詣の見事さに感嘆する暇もなく笑わせられ、お邪魔した打ち上
げの席で、前から気になっていたあるくすぐりについて質問して「ああ、あれはうちの師匠がつけたやつ」という答えに納得したり。ああ、桂枝雀は生きている。
それにしても思うのは、桂雀三郎という落語家の周りにはいつもいい風が吹いていて、例えばいいミュージシャンのまわりにいいミュージシャンばかりが自然に集まってくるのと同じで、今は桂雀三郎だけを追いかけていれば、いい落語を聴くことができるというこ
となのだろう。いい会でした。三日とも行きたかったが、まあ、私は毎月でも聴くことができるのだから、こういう企画は、ゴールデンウイークにしかこれない人に席をゆずっておくべきかもしれない。なにせ七十人でいっぱいだからなあ。でもやっぱり落語というのはこのくらいの広さで楽しむ芸だと思う。少なくともマイクロフォンは通すべきではない。いやまあ、ものすごく贅沢なことを言っているのはわかっているが、本当のことだから仕方がない。
*打ち上げの場にあったもの。
五月五日(土)
妻の実家に子供を見せに行く。
*寿司、吸い物。
五月六日(日)
昼間についピーナツを食い過ぎて、そのせいか夕方から気持ちが悪くなって、倒れていた。お前は子供か。
*ちらし寿司、水餃子。
五月七日(月)
体調はだいぶましになったのだが、まだ本調子ではないので、今日はお粥にする。家に帰ってくる。
*お粥。
五月八日(火)
夜は、芝居の稽古。
*野菜と豚肉と卵入りの讃岐うどん、パプリカのマリネとレタスと水菜とプチトマトと金柑のサラダ、八朔。
五月九日(水)
*カレーライス、パプリカのマリネとレタスと水菜と玉葱と金柑のサラダ、ヨーグルト、バナナ、八朔。
五月十日(木)
夜は、芝居の稽古。
*カレーライス、鶏と野菜のスープ、大根の葉の金平、切干大根、パプリカのマリネとレタスと水菜と玉葱と金柑のサラダ、ヨーグルト、バナナ、八朔。
五月十一日(金)
*ちらし寿司、浅蜊の吸い物。
五月十二日(土)
ブリッジのイベントに行って、いろんな人やいろんなバンドを観る。いやほんまに大阪にはいろんな人がいるなあとつくづく思う。
三田村管打団と popo とCDを買って帰る。
*会場にあったものいろいろ。
五月十三日(日)
夜は、芝居の稽古。
*五香粉の香りご飯・筍と豚肉入り、ベーコンと野菜のスープ。
五月十四日(月)
夜は、芝居の稽古。
*ちらし寿司、レタスと水菜とトマトのサラダ。
五月十五日(火)
*鴨のコンフィ、玄米、ジャガイモとキャベツとター菜と人参の炒め物、レタスと水菜と金柑のサラダ、ベーコンと野菜のスープ、八朔。
無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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