カメ天国通信


その157

【カメ人間日記】
(2007年5月後半)

五月十六日(水)
*スパゲティ・ジェノベーゼ、魚と野菜のスープ、パプリカのマリネとレタスと水菜と金柑のサラダ、八朔。

五月十七日(木)
 夜は、芝居の稽古。
*筍ご飯、砂ずりと野菜の炒め物、鴨と里芋の煮物、魚と野菜のスープ、パプリカのマリネとレタスと水菜と金柑のサラダ、八朔。

五月十八日(金)
 夜は、芝居の稽古。
*スパゲティ・ジェノベーゼ、パプリカのマリネとレタスと水菜と金柑のサラダ、茹で空豆、人参の葉の金平、八朔。

五月十九日(土)
*キャベツと塩豚の炒め物、玄米、新玉葱と蒟蒻の煮物、キムチ、人参の葉の金平、レタスと水菜と金柑のサラダ、八朔。

五月二十日(日)
 夕方、島の内へ唐口カルテットのライブを聴きにいく。

   唐口一之(tp)、岩佐康彦(p)、 宮野友巴(b)、 北岡進(ds)

 この会場は今回が初回で、ほとんど宣伝ができていなくて、お客が少なかったのがもったいない。こんなにすごいことが行われていて、それをこんな近くで聴くことができるのになあ。例によってとても幸せな気分で帰ってきた。やっぱりこういう流行りものでない音楽は集客が難しい。それにしても、なんとかならんのかなあ。
*おから蒟蒻の唐揚、里芋コロッケ、キャベツの千切り、白米、キムチ。

五月二十一日(月)
 夜は、芝居の稽古。
*中華風筍ご飯、牛肉と玉葱と蓮根の煮物、味噌汁、レタスと玉葱と金柑のサラダ。

五月二十二日(火)
 夜は、一心寺シアターのワークショップ。今日もみっちりタップのおけいこ。たぶん明日は身体が痛い。
*鰯の天麩羅、空豆のリゾット、レタスと玉葱と水菜のサラダ、八朔。

五月二十三日(水)
 韓国で買ってリュックに入れて帰ってきたものすごく重たい石鍋を、今日初めて使用する。
 夜は、芝居の稽古。やっと全体の形が見えてきた。
*石焼ビビンバ、モツァレラチーズとトマトのサラダ、味噌汁。

五月二十四日(木)
 夜は、芝居の稽古。
*中華風筍ご飯、モツァレラチーズとトマトのサラダ、鯵の南蛮漬け、レタスと水菜と玉葱のサラダ、味噌汁、八朔。

五月二十五日(金)
 このあいだあったちょっと不思議なこと。
 子供用の自転車を貰ったのだが、まだ娘は足が届かない。それでも乗りたがって、あまりにうるさいので、娘が寝ている間に二階のベランダの隅に仕舞ったのだった。
 しばらくは自転車を探していたようなのだが、見当たらないのであきらめたらしく、もう何も言わなくなった。それで、もう自転車のことなど忘れてしまっただろうと思っていた。
 ところが、このあいだ、突然、妻の手を持って、乗りたいの、などと言い出して二階へ連れていきベランダへの戸を開けさせ、ビニールを被せて仕舞ってある自転車を指差したというのである。
 娘は自転車の置いてあるベランダに出たことはないし、ベランダは外からは見えない。では、なぜそんなことがわかったのか。
 いろいろ可能性を考えたのだが、たぶんこういうことではないのかと思う。
 私と妻は、たぶん何度か娘の前で仕舞った自転車のことを話題にしたはずである。そしてベランダという言葉も口にしているはず。そのあたりの会話の断片から得られる情報を繋ぎ合わせて、自転車がある場所がベランダであり、そのベランダというのが二階にあるあの戸の向こうであろうという推論を行った。そういうことなのではなかろうか。
 幼児というのは、まだ言語としてそれを表現できないだけで、じつは大人が考えている以上に情報を分析する能力があるのだろう。
 HAL9000が、唇を読むシーンを連想したりした。知的存在の能力をなめてはいけませんね。
*フォー、レタスと水菜と玉葱と金柑のサラダ。

五月二十六日(土)
 夜は、芝居の稽古。
*クリームソースのペンネ、モツァレラチーズとトマトのサラダ。

五月二十七日(日)
 夕方から、芝居の稽古。
*玄米、子持ちししゃも、切干大根、キムチ、鱈子、蜆の味噌汁。

五月二十八日(月)
 午後、劇団の稽古場でトランペットのレッスン。チタン合金で作ったマウスピースの試作品、なるものを見せてもらう。持ってみると不思議なほど軽い。唐口さんは、金属関係の集まりでそのマウスピースを付けて演奏するそうな。世の中、いろんな仕事があるものだ。何本かあるのを順に吹いてみたのだが、音はちょっと軽い感じがするが、どれもよく鳴る。まあ音色に関しては好みの問題だろうなあ。
 久しぶりに芝居の稽古はお休み。
*石焼ビビンバ、レタスと水菜と玉葱のサラダ、八朔。

五月二十九日(火)
 夜は、芝居の稽古。
*石焼ビビンバ、味噌汁。

五月三十日(水)
 夜は、芝居の稽古。
*スパゲティ・新玉葱と塩豚ときぬさやのサワークリームソース、レタスと水菜と玉葱のサラダ、パン。

五月三十一日(木)
『ハナシをノベル! 第七回』に行く。
 なんだかんだで、ついに一周年かあ。私はほとんど何にもやっていないが、それでも感慨深いものである。お客さんの入りもまあまあで、ようやく定着してきた感がある。
 それにしても、田中啓文というひとは、作品からは考えられないほど世話焼きで、こういうひとがいないことには、こんなややこしい会はとても始められないし維持することもできない。普段の田中啓文氏を見ていても、あほや、という印象しかないのだが、とにか く田中啓文氏はかなり偉い。不思議だが本当である。
 というわけで、今回も二席。

『うばすて村』山中利一・原案 田中啓文・作
 もうだいぶ前だがこの原案は読んでいた。そのときは、ただただアホらしい話で、この軽さとアホらしさは落語にちょうどいいだろうなあという印象だった。
 それに反して八天さんの演出は、オープニングからいきなりマジなサスペンスで、前半はそのままけっこう重い展開で、でも後半はアホな話になる。でもやっぱりお話の内容に比べてちょっと重すぎるかなあと思う。前半のサスペンスは、ストーリーでお客を引っ張 るためのエンジンとして働いているから、それがあるせいでダレることなくおもしろく聞いていられるのだが、「うばすて」という内容がちょっと重すぎてうまく後半の笑いにもっていけなかった感じ。そのせいでいまいち落語らしくない。でも、お話としては充分お もしろいので、聞いていて退屈することはない。こなれていけば、もっと落語らしくなるかもしれない。あの冒頭のカットバックはあまりうまく機能していなかったが、まあそのあたりも今後の課題でしょう。

『正直課長』森奈津子・作
 落語というのは、あまり盛りだくさんにいろいろやるよりも、アイデアはひとつだけにして、それを転がしていくというのがいちばんうまくいくのはないか、というのがこの会でいろんな新作を聴いて感じたことなのだが、このネタはまさにその、嘘をつけない課 長、というワンアイデアを転がしていく話。笑いどころがお客に早めに伝わるので、落語としてとてもうまく運んでいた。後半のエスカレートがもっと段階を踏んでちゃめちゃになってくれたらもっと爆笑に繋がったと思うが、まあこのままでも充分に受けていたし、 落語らしい落語になっていた。

 というわけで今回もおもしろかった。しかも今回はあっと驚く人が客席にいたりして、ああびっくりしたなあ。高校の頃の私なら、それだけで卒倒してますよ。終わってから、なぜか公園で一周年を祝して乾杯してから、とても楽しく打ち上げ、結局、明け方に帰 宅。
*打ち上げの場にあったもの。



無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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