その162
【カメ人間日記】
(2007年8月前半)
八月一日(水)
去年に引き続いて、大阪キングを見物に行く。夕方からだいぶ涼しくなったので、なかなか快適に過ごせたが、あんまり見るものはなかったなあ。隣に大阪城があるから、まだけっこう歩き回ったりして楽しく過ごせるが、あとはほんまにメインのステージと屋台くらいしかないし。去年のほうが変なものがいろいろあっておもしろかった。
*冷やしうどん、ポテトサラダ。
八月二日(木)
夕方、一時間ほど走る。
*ちぢみ、玉葱とトマトと万願寺のサラダ、味噌汁、胡桃とかぼちゃのケーキ。
八月三日(金)
ジュンク堂の梅田ヒルトン店で、古典とか新作の落語について田中啓文と月亭八天さんといっしょにぐだぐだしゃべる。絶対に客はいないだろうと思っていたが、けっこういてくれてよかった。しかしまあいいことばかりではなくて、他にもいろいろあるのだが、こういうところには書けないのである。
八月四日(土)
*ビリヤニ、ライタ、蜆の味噌汁。
八月五日(日)
*ゴーヤチャンプルー、玄米、てっちゃんと夏野菜の炒め物、枝豆、かぼちゃプリン。
八月六日(月)
*じゃがいものスパテティ・ジェノベーゼ、ポテトサラダ、トマト、味噌汁。
八月七日(火)
夜、一心寺シアターのワークショップ。毎回、身体というのは思い通りに動かんことを確認しに行っているようなものである。
*蒟蒻と野菜の炒め物、鶏唐揚、玄米、ポテトサラダ、味噌汁。
八月八日(水)
保育園に娘を迎えに行って、その帰り道、自転車をこぎながら、娘といろいろと言葉を交わす。「楽しかったか?」「たのしかた」「プール好きか?」「ぷるすき」「保育園は?」「ほくえんすき」とかそんな会話とも言えないような会話なのだが、今日もいつものように「何食べた?」と尋ねると「ぱんたべた。とおは?」と問い返したきたのである。(『とお』というのは私、『かあ』は妻のことである)
つまり彼女はすでに、「とお」や「かあ」というものの中にも自分と同じように時間が流れていて、自分のいないところでは自分の知らない体験をしていて、そんな「とお」や「かあ」の数と同じだけ体験とか記憶が存在する、ということを理解しているわけだ。たぶんここ数日の間に、頭の中でそんな変化が起きたのだろう。
これは、ニュートン的時空からアインシュタイン的時空観への変化とか、そんなのに相当するほどのものではないか。そんなことがひとりでに、しかも短期間のうちに起きるというのがまずワンダーであるし、そのことが「とおは?」という言葉だけでわかるということもまたワンダーである。
まさに、日々是センスオブワンダー。
*素麺、豆もやしのナムル、玄米、ポテトサラダ、トマト、蜆の味噌汁、かぼちゃプリン、栗饅頭。
八月九日(木)
人間ドック。国民健康保険に入っている四十五歳は、ただで一回受けられるらしいので話のタネに行ってみる。注射をされたり、ジェルを塗られてころころ転がされたり、炭酸を飲んでげっぷを我慢しながら角度の変わる台の上で何回も寝返りをうたされたり回らされてたり、ハイテクなんだかローテクなんだか。
*蒟蒻と大豆と塩豚の炊きこみ茶飯、緑豆とおからのコロッケ、蜆の味噌汁、豆もやしのナムル、トマト、かぼちゃプリン。
八月十日(金)
*蒟蒻と大豆と塩豚の炊きこみ茶飯、空芯菜と豚肉の炒め物、かぼちゃと蔓紫の味噌汁、おくらと玉葱とトマトのサラダ、豆もやしのナムル、切干大根、かぼちゃと胡桃のケーキ。
八月十一日(土)
昼間、梅田ヒルトンのジュンク堂で八天さんと田中啓文氏、我孫子武丸氏、田中哲弥氏と、新作落語のこととかをぐだぐだとしゃべる。それが終わって飲みにいったのだが、なにしろイベントの終わりが三時過ぎで、飲み始めたのは四時ごろである。六時前には全員すっかり出来あがっていて、おまけにそのあといった沖縄料理屋にはものすごく田中哲弥好みのお姉ちゃんが歌っていたりしてなかなか楽しくて、とにかく八時間ほどずうっと飲みながらアホなことをしゃべって笑っていたのだが、何をしゃべったのは全然おぼえていないのである。
*居酒屋にあったもの。
八月十二日(日)
*ちぢみ、白米、セロリとカニカマボコのサラダ、てっちゃんと野菜の炒め物、味噌汁、キムチ。
八月十三日(月)
*冬瓜入りラタトイユ、玉ねぎと紫蘇のサラダ、蜆とかぼちゃの味噌汁。
八月十四日(火)
いきなりコンピュータが壊れる。さらに、子供の三輪車をいちびって押しまくったため、腰も壊れる。暑いといろんなものが壊れるようだ。コンピュータも腰も、壊れるとへこむ。ダブルパンチである。
*空芯菜と豚肉の炒め物、玄米、蜆とかぼちゃの味噌汁、キムチ。
八月十五日(水)
痛む腰をさすりながら日本橋にコンピュータを買いに行き、一日かかってなんとかネット環境を復旧。
*冬瓜と鶏の煮物、かぼちゃと芋のコロッケ、白米、空芯菜と豚肉の炒め物、かぼちゃとおくらの味噌汁、梅酒ゼリー。
*********【お知らせ】*********
*まずは、新刊のおしらせ。
『ウニバーサル・スタジオ』(ハヤカワ文庫JA)が、8月25日発売です。
でっかいウニの形をしたテーマパークの話です。それにしても、こんなふざけた、ほとんど小説だかなんだかわからないような変なものを、よく出版してくれるよなあ、大丈夫なのかなあ、と他人事ながら心配になります。
ありがとう、早川書房、そして、S澤さん。
*ワールドコンでは、9月1日(土)15時から16時まで、SF大会では何度かやったことのある暗闇朗読をやります。
ひとりでは寂しいので田中啓文氏にサックスで参加してもらうことにしました。
というわけで、田中啓文ファンもよろしく。
たぶん、旅のショートショートを幾つかと、『シズカの海』、それから時間が余ったら『ウニバーサル・スタジオ』の断片を幾つか読みます。
*続きまして、「ハナシをノベル!」と新作落語関係。
「八天が(ホラーを)ノベル!!」
日時・9月21日(金)午後6時半開演
場所・天満天神繁昌亭
番組・「開口一番」桂吉の丞
「寄席の怪談」(北野勇作・作)月亭八天
「お楽しみ」林家竹丸
「百物語」(牧野修・作)月亭八天
(仲入り)
「小説家VS落語家フリートーク」我孫子武丸・北野勇作・田中哲弥・田中啓文・月亭八天ほか
主催・天満天神繁昌亭(06-6352-4874)
いやそれにしても、トークとはいえ、まさか自分が繁盛亭に出演することになるとは思わなかったなあ。まして自分の書いたネタがかかるなんてねえ。世の中、何が起こるかわからんもんです。
あっ、ということは、とりあえずこれで「寄席の怪談」という題名は、天満天神繁盛亭のネタ帳には残るわけだ。ありがたやありがたや。
*
これに続いて、9月29日(土)
第9回「落語再生公開堂 ハナシをノベル!!】
毎回、小説家が書いた落語を月亭八天さんが演じるという会です。
今回も新作落語のネタおろしが二席。
「みんなの会社」北野勇作
もうひとつは、田中哲弥さんの新作になる予定です。
時:7月18日(水)19時開演。
ところ:大阪市中央公会堂・地下1階大会議室
(地下鉄・京阪「淀屋橋」下車、北へ徒歩5分)
料金=2,000円(当日のみ)
田中啓文さんが司会のトークもあり。
お問い合わせ=英知プロジェクト TEL. 06-6956-8810
hatten_world@mac.com
ええっと、とりあえずこんなとこかな。
無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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