カメ天国通信


その167

【カメ人間日記】
(2007年10月後半)

十月十六日(火)
 本番。まあ、なんとかなったんじゃないでしょうか。やれやれ。
*ピザ、スープ、他。

十月十七日(水)
 本番。終わって片付けて、劇場のロビーで軽く打ち上げをやって終了。
*ホットドック、スープ、アップルパイ、他。

十月十八日(木)
 子供を保育園へ送っていってから、妻といっしょに劇場版エヴァを観に行く。うーん、ちょっと期待しすぎたのかなあ。もっとおもしろいと思っていたのだが。テレビで観たときはあんなに興奮したのになあ。
*野菜天ぷら、酢茄子、ずいきの甘酢漬け、白米、味噌汁。

十月十九日(金)
 クリームシチュー、大豆入り玄米、ずいきの甘酢漬け。

十月二十日(土)
 なんだかよくわからないのだが、田中啓文が蟹を食べたことがないので連載中の「食は応酬にあり」というエッセイの企画としてかに道楽へ行くことになった、という話だったはずなのだ。
 ところが、田中啓文は、蟹を食っても別に盛り上がりもしないし、これといった感想を述べることもなく、それどころか、蟹を食うのは初めてでもないようなのだ。
 結局最後まで、なんのこっちゃわからないままだったのだが、我孫子さんが、どれほどオリエンタルラジオのことを苦々しく思っているか、とか、田中啓文が変な歌をものすご くたくさん知っていていちど歌い始めるとまわりの状況など関係なくずっとひとりで勝手に歌っているということだけは、嫌になるくらいよくわかった。そんなのにウーロン茶でずっと付き合っていた牧野さんは、いつもながら偉いと思う。
*蟹とかビールとか焼酎とか。

十月二十一日(日)
 夜、一時間ほど走る。
 NHKのSF作家クラブの番組を観たのだが、映像とか音声の資料は貴重でみごたえはあったが、それにしてもこの作りでは「こうして現代の日本にSF作家というものはいなくなったのですが、でも、その精神は、アニメや漫画に受け継がれて、今も残っているのでした。めでたしめでたし」みたいな感じだなあ。まあ作った人は実際にそう思ってる のかもしれないが。
*クリームシチュー、玄米、ピクルス。

十月二十二日(月)
 桂雀三郎つるっぱし亭に行く。

桂 佐ん吉   いらち俥
桂 雀三郎   くっしゃみ講釈
旭堂 南海   帰ってきた後藤一山
桂 雀三郎   鬼の面

 『帰ってきた後藤一山』というのは、落語の『くっしゃみ講釈』の中に登場する講釈師を主人公にした南海さん作の新作講談。くっしゃみ講釈とこの講談を続けてやって、そしてその後に、もともと講談だったものを落語ネタとして作り換えた『鬼の面』、という趣向。
 この前ここでやった講談の『浪速侠客伝』がすさまじいおもしろさで、すっかりファンになってしまったのだが、今回の『帰ってきた後藤一山』もおもしろかった。くっしゃみ講釈で偉い目にあった後藤一山の十年後のエピソードである。冒頭に講談らしい硬質な言葉とテンポで、明治の終わりごろの寺町とそこで起きた放火殺人事件が描写され、その事件の容疑者として捕まるのが後藤一山、という、つまりミステリ講談なのだが、事件の謎が、その前夜に後藤一山がその寺で語った講談と結びついて解決する、というなかなか凝った作りで、その頃の大阪、寺町から下寺町へ続く斜面の秋の描写が素晴らしい。
 『鬼の面』は、聴く度によくなっていくような気がする。地味な噺なのに、とにかく会話が全部いい。すべてのシーンが細部まできちんと設計されていて、くすぐりにも無理やり笑わせようとするところはまったくない。ほんわかしみじみとしたええ噺なのに、笑いどころは多くて、最後の「これから警察に」というくだりなどは、もう爆笑である。いや、ええもんを観せてもらいました。七十五日寿命が延びます。
 打ち上げでは、南海さんといろいろ話すことができて楽しかった。私より年下だとわかって、ちょっとショック。
*打ち上げの場にあったもの。

十月二十三日(火)
 娘が初めて三輪車を漕ぐことに成功する。夜の公園で大興奮してなかなか家に帰ろうとしない。
*ラムと野菜の炒め物、ずいきと万願寺とはやと瓜のサラダ、白米、味噌汁、蕪菜のお浸し。

十月二十四日(水)
 夜、どういうわけかすこし気持ちが悪くなり、少し吐き気もあって、何にも食べずに寝る。吐かなかったが、ふらふらしている。あんまり思いあたることはないのだが。やっぱり身体が資本ですね。なんにもできん。

十月二十五日(木)
 一晩寝たらなんとか回復。やれやれ。
*ラムと野菜の炒め物、黒豆ご飯、ずいきと万願寺の甘酢漬け、冷奴、味噌汁。

十月二十六日(金)
 次の話をぼちぼちと書き始める。まあ最初の五枚だけ。さて、はたしてうまく滑り出せますか。
*人参の葉と塩豚の炒め物、黒豆ご飯、ずいきと万願寺の甘酢漬け、味噌汁、梅ケーキ。

十月二十七日(土)
*人参の葉と塩豚の炒め物、黒豆ご飯、焼き豚と野菜の炒め物、ずいきと万願寺の甘酢漬け、切干し大根、味噌汁。

十月二十八日(日)
 朝から劇団の用事。昼からその続きで空堀あたりを歩きまわる。
*ピーナツ入りご飯、ずいきと万願寺と米のサラダ、味噌汁。

十月二十九日(月)
*焼き豚と玉葱の炒め物、白米、ずいきと万願寺の甘酢漬け、味噌汁、枝豆、茹でピーナツ、梅ケーキ。

十月三十日(火)
 脱穀のために田舎へ帰る。ちょっと天気が心配だったが、なんとか済ませることができた。
*焼肉、キャベツ、白米。

十月三十一日(水)
 籾摺りをしてから、夕方、大阪に帰ってくる。あちこちが筋肉痛。
*ステーキ、ラタトウユ、玄米、味噌汁、ずいきと水菜のサラダ、切干し大根と大豆。



無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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