カメ天国通信


その169

【カメ人間日記】
(2007年12月前半)

十二月一日(土)
 無事、日本に帰ってくる。
*寿司、パン、他いろいろ。

十二月二日(日)
 『月亭八天独演会』にワッハホールに行く。今回は時差ボケはほとんどないようである。なんか、昔より飛行機がすごく速くなったような気がするのだが、気のせい?

『つる』   林家 市楼
『田楽喰い』 月亭 八天
『つぼ算』  桂 歌之助
『土橋萬歳』 月亭 八天
     中入
「水戸大神楽」柳貴家 小雪
『夢の皮財布』月亭 八天

 すごくいい会だった。前半のにぎやか、『土橋萬歳』の緊張、大神楽で空気を変えて、『夢の皮財布』のほのぼの、の流れが心地よい。とくに『土橋萬歳』と『夢の皮財布』は、こんなふうに並ぶことで、ふたつのネタに「夢」というキーワードできれいな繋がりができて、よくできたアンソロジーみたいである。圧巻は『土橋萬歳』で、力が入っていながら細部まできちんと作りこまれていて、あらためて、『土橋萬歳』というのはおもしろい噺だなあと実感させられた。もちろん、それは八天さんの力が大きい。昔はこういうおもしろさはわからなかったのだが、ある程度年をとってこそ、やっとわかるおもしろさというのは確実にある。
 『土橋萬歳』で思い切り力を出し切ったせいか、『夢の皮財布』あっさり軽めになっていて、しかしそれがまたうまくいっていた。こういう「いいはなし」は、あんまりがんばるとクドくてクサくなってしまう。いや、ほんまにええ会でしたわ、と八天さんに声をかけてとてもいい気持ちで帰宅。
*白米、ブロッコリーの味噌汁。

十二月三日(月)
*焼き豚丼、味噌汁。

十二月四日(火)
*白菜と焼き豚の炒め物、焼き餃子、白米、味噌汁、水菜のサラダ、人参の葉の炒め物。

十二月五日(水)
*キャベツと焼き豚の炒め物、玄米、味噌汁、山芋短冊、人参の葉の炒め物。

十二月六日(木)
*白菜と焼き豚の炒め物、玄米、具沢山の味噌汁、人参の葉の炒め物。

十二月七日(金)
*キャベツと焼き豚の炒め物、白米、具沢山の味噌汁、人参の葉の炒め物、山芋短冊。

十二月八日(土)
*キャベツと焼き豚の炒め物、白米、野菜スープ。

十二月九日(日)
 他の人といっしょに演ったほうがいい、ということで、唐口さんが紹介してくれたビッグバンドの練習に行く。基本的なことがまったくできない自分のヘボさを思い知らされる。簡単なフレーズなのに、全然ダメなのである。今まで何をやっていたのかなあ。
 夕方、久しぶりに一時間ほど走る。
*焼き餃子、白米、サラミ、スモークチーズ、野菜スープ、蜜柑。

十二月十日(月)
 ジュンク堂で「ハナシをノベル!!」の本のサイン会(田中啓文、月亭八天、我孫子武丸)があるので、見物に出かける。ちょっと前に田中啓文から電話がかかってきて、どうせ客は来ないに決まっているから、賑やかしにあたりをうろついてくれ、などとわけわからないことを言われたのである。それで何かの助けになるとは思えないのだが、まあ行くことにする。田中哲弥も来ている。同じように呼び出されたらしい。そんなに閑か。意外にもサイン会はまあそこそこお客がいて、なんだかサイン会みたいになっていた。結局、終わってから飲みに行って、例によってアホな話を延々して、ああやっぱりこうやってアホなことをわあわあ言っているのは楽しいなあ、とつくづく思う。
*焼肉とか。

十二月十一日(火)
*野菜と塩豚の炒め物、白米、水菜とサラミのサラダ、山芋短冊、蜆と大根の味噌汁、蜜柑。

  十二月十二日(水)
*サーモンとカリフラワーのニョッキ、水菜とトマトのサラダ。

十二月十三日(木)
*野菜と塩豚の炒め物、白米、カリフラワーのクリーム煮、大根と水菜のサラダ、林檎、蜜柑。

十二月十四日(金)
*味噌煮込みうどんすき。

十二月十五日(土)
 『ハナシをノベル!! 第十回』
 夕方、自転車で中ノ島あたりまで行くと、それはもうえらい人である。なんでも、木に電球がいっぱいくくりつけられているだけのことでこんなに大勢うようよ寄ってきているらしい。虫か。
 だが、「ハナシをノベル!!」の会場である会議室は、は外の大混雑が嘘のようにすかすか。あいかわらず六割くらいの入りだ。まあこんな実験的な落語会は人気がないに決まっているのだが、それにしても、本が出たりもしたのだからもうちょっと入ってもいいのになあ。
 今回も新作二席。

「殺しの罠」(作・太田忠司)
「残月の譜」(作・田中啓文)

 「殺しの罠」は、お話としてはきちんと起承転結ができているから普通におもしろく聴けるのだが、まったく落語らしくない。いろいろとくすぐりを入れたりもしているのに、不思議なほど落語になってない。落語というのは変なものである。
 それに続く「残月の譜」は、お話自体はけっこうシリアスだし、田中啓文らしいけっこう嫌な展開になったりするのだが、どう聞いても落語なのである。
 落語らしい、とか落語みたいに聞こえるというのは、お話の構造とかくすぐりの数とかではなくて、もっと何か違うものなのだろう。ブルーススケールとかブルーノートに相当する「落語スケール」みたいなものがあって、落語に特徴的な言い回しとか、そこからの展開のさせ方とか、そこから派生するものの組み合わせとか使い方で、落語みたいになったり、ならなかったりするのではないか。とか、今回もいろんなことを考えさせられて、落語も楽しませてもらえるお得な会だった。
*打ち上げの場にあったもの。


無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
[  カメ天国通信 に戻る |  前のページへ |  次のページへ ]