カメ天国通信


その170

【カメ人間日記】
(2007年12月後半)

十二月十六日(日)
 唐口さんのワークショップというか、唐口さんにトランペットを習ったことがある者ばかりでジャムセッションのようなことをやる。トランペットばかり十人以上集まって、なかなかリラックスしてわいわいやれた。ああ、おもしろかった。こんなおもしろい遊びはなかなかないと思うのだが、しかし全然思うようには吹けませんなあ。アドリブ途中で何度も空中分解。
*サンドイッチ、ポテトサラダ、他。

十二月十七日(月)
 午後、劇団の稽古場でトランペットのレッスン。「everything happens to me」をネタにしたアドリブの基本的な方法とか。夕方、娘が「クリスマスのきらきら」が見たいと言うので、さっそく木にくくりつけた電球の見物に天王寺駅のあたりをうろつく。虫か。
 ついでに、このあいだ妻が友達と食べておいしかったという自然食バイキングの店とやらで夕食。
*旬菜バイキング。

十二月十八日(火)
 夕方、一時間ほど走る。
*平目と里芋の煮付け、ほうれん草のバター炒め、白米、大根と水菜のサラダ、山芋短冊、魚と野菜のスープ、キウイ。

十二月十九日(水)
 子供と遊んでいて、何気なく「Walkin'」のCDをかけたら、いきなり「トナカイさんトナカイさん」と言う。なんのこっちゃ、と思っていたら、あのテーマにあわせて「まっかなおはなの」と歌い出した。なるほど確かに。
*スパゲティ・ジェノベーゼ、大根と水菜のサラダ、大根の煮物、林檎。

十二月二十日(木)
*鱈と野菜のクリームシチュー、玄米、大根と水菜のサラダ、林檎、ティラミス。

十二月二十一日(金)
 夜、トランペットの練習に心斎橋のスタジオに。
*鱈と野菜のクリームシチュー、白米、大根と水菜のサラダ、ティラミス。

十二月二十二日(土)
 桂雀三郎つるっぱし亭に行く。

みかん屋   桂雀五郎
蔵丁稚    桂雀三郎
花筏     桂雀喜
夢の革財布  桂雀三郎

 雀五郎さんのみかん屋はもう何度も聴いているのだが、いつもながらの安定したいい出来で、前座としては申し分ない。ここからどこに向かっていくかというのは楽しみ。いらわれキャラとしても、その個性を確立しつつある。
 蔵丁稚における、丁稚の芝居ぶりから、次第にその世界に没入して、その緊張のピークで、一瞬にして、というか一瞬の間さえなしに、もとの丁稚にもどるというあれは、まさ に落語という形態でしかできないギャグだということを再認識させられる。
 落語というのは本当によくできている。「古今東西の名人上手がああでもないこうでもない、と練り上げてきたもの」というのは寝床のなかで浄瑠璃のことを言っている台詞だが、まさに落語もそれである。もちろん、これまで何度も聴いたネタだが、しかしここまで見事にそれをやってのけられると、まるで違うもののように感じられる。この解像度があってこそ、構造をここまで楽しむことができるのだ。幸せなことだなあ。
 雀喜さんは、うまくはまればあの本人ののほほんとしたところがなかなか味になったりするのだが、この噺のサゲ前の緊迫感は出せていなかった。
 で、夢の革財布である。夫婦のやりとりは、これが人情話とは思えないほど賑やかで、どがちゃがしていて、もちろん爆笑の連続で、それが最後の最後でピンポイントに着地を決める。お見事。
 それにしても、財布が夢ではなかったことを打ち明けられて一瞬、亭主がキレかかる、あのへんのリアリティはホンマにすごい。
 打ち上げで、ハナシをノベルを振り出しに、アルカリ寄席、枝雀師匠のSRのこと、など、雀三郎師匠といろいろ話す。
 それにしても、アルカリ寄席みたいなあんな無茶なことを八年もやっていたのだなあ。
*打ち上げの場にあったもの。

十二月二十三日(日)
 お笑いをスポーツみたいにするM−1のあの方法は、あくまでも趣向であって、ものすごく限定された条件で行う対決、例えば「料理の鉄人」みたいな対決でしかないのに、あれで本当に頂点が決まるみたいな大層な言い方と、世間がそれに従っていく感じが、前から嫌だったのだが、今年のそれは、現在おもしろいマンザイコンビを見せるショーケースとしてさえ機能していなかった。それはそうでしょう。これだけ傾向と対策がはっきりしてきたら、似たネタばっかり並ぶに決まっているし、できるだけ速くたくさんのネタを振って、四分以内にきちんと回収するというわかりやすい形がいちばん評価されるに決まっている。それにそぐわない芸風のコンビは実力を発揮できないまま終わるか、無理やりそのスタイルに自分たちを押し込んでしまう。ほとんどマンザイの盆栽である。
 そして、そのスタイルでもグランプリを狙いにいけるようなコンビは、もうすでに栄冠に輝いてしまったのでここには出てこない。
 というわけで、今回のなら、土曜とか日曜にときどきやっているマンザイ番組のほうがずっとレベルが高くておもしろい。
 いっそ、多数決みたいなことはやめて、審査員を松本だけにするとか、そのくらい偏ったことをしたほうがいいのではないか。それなら、MATUMOTO−1だから、M−1のままでいけるし。
*クリームシチュー、玄米、大根と水菜のサラダ。

十二月二十四日(月)
*たらこスパゲティ、野菜スープ、チーズケーキ。

十二月二十五日(火)
*焼き秋刀魚、牡蠣フライ、白米、人参の葉と塩豚の炒め物、野菜スープ、チーズケーキ。

十二月二十六日(水)
*ファラフェル、焼き秋刀魚、野菜スープ、チーズケーキ。

十二月二十七日(木)
*野菜と豚肉の炒め物、玄米、野菜スープ、葡萄ゼリー。

十二月二十八日(金)
*うどんすき。

十二月二十九日(土)
*煎り卵、赤かぶとレタスのサラダ、玄米、味噌汁、人参の葉と塩豚の炒め物、林檎。

十二月三十日(日)
 朝から助産院の餅つきに行く。
 夕方から、串かつ屋「やぐら」で、忘年会。
 「桂雀三郎withまんぷくブラザーズ」のライブもあるお得な忘年会である。「やぐら行進曲」を始めとするやぐら関係の歌だけで三十五分、あと二曲もあればやぐらソングだけでCDが作れそうである。アルカリの忘年会が無くなってから、こういうのは久しぶり。
 夜中までさんざん騒いで、アホな話をいっぱいして、結局こうして今年も暮れていくのだなあ。
*その場にあったものいろいろ。

十二月三十一日(月)
 来年からとりかかる長編の頭のところを試しに書いてみる。まあなんとか、始められそうな感触。うまくいくかどうかはわからんが、まあとりあえず、半年ほどはこれを転がして遊べそうである。
*蕎麦、かき揚げ、赤蕪とレタスのサラダ。



無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
[  カメ天国通信 に戻る |  前のページへ ]  次のページへ ]