その177
【カメ人間日記】
(2008年4月前半)
四月一日(火)
朝、一時間ほど走る。
*里芋と蒟蒻と葱の煮物、鴨のガラで炊き込んだご飯、ちんげん采とキムチの炒め物、味噌汁、バナナケーキ。
四月二日(水)
*鴨ロースと煮卵の醤油漬け、玄米、里芋と蒟蒻と葱の煮物、味噌汁、バナナケーキ。
四月三日(木)
朝、一時間ほど走る。
*鰤と野菜の鍋。
四月四日(金)
娘の保育園の入園式。それぞれの園児には、いろんな持ち物や靴箱などに張るシールが割り当てらる。チューリップとかカブト虫とかロケットとかが描かれたその小さなシールがこれから卒園まで名前といっしょに、いろんなところに貼られることになる。百人以上の園児が全部違うシールだから、それだけの種類のシールがある。
何のシールかなあ、亀とちゃうか、亀やったらええなあ、などと冗談で言っていたら、娘のシールはなんと本当に亀であった。ああびっくりした。そのあと区役所で三歳児検診。
*菜の花と水菜と笹身入り盛岡冷麺、おからの炊いたん。
四月五日(土)
朝から用事でばたばた。
*ラーメン。
四月六日(日)
いろいろあって疲れる。
*焼肉。
四月七日(月)
劇団の稽古場でトランペットのレッスン。引き続いて、アドリブの方法論みたいなこと。おもしろい。
*玄米、キムチ、サラミ、水菜のサラダ。
四月八日(火)
朝、五十分ほど走る。
*ちらし寿司、味噌汁。
四月九日(水)
まあいい感じで進んでいるのではなかろうか。夕方、娘を保育園へ迎えにいき、そのまま、花見がてらに近所の公園で弁当を持っていく。
*山菜と鶏肉の炊き込み御飯のおにぎり、林檎、プチトマト。
四月十日(木)
*ドリア、コーンスープ。
四月十一日(金)
朝、五十分ほど走る。
*サムゲタン、コーンスープ。
四月十二日(土)
*ドリア、コーンスープ。
四月十三日(日)
大学の落語研究会のOB会というか、飲み会。もう十数年ぶりに会う先輩なんかもいて、なんというか光陰矢のごとしです。
*居酒屋にあったもの。
四月十四日(月)
*マイタケと玉葱の炒め物、大根の葉のきんぴら、人参と葱のコチジャン炒め、玄米、味噌汁、冷奴。
四月十五日(火)
朝、一時間ほど走る。
ハナシをノベル!!に行く。
今回も、新作は二席。
一席目。
「やっぱりエコが好き」我孫子武丸・作。
ものすごくベタな、いかにもありそうなアイデアの新作落語。でも、そういう「型にはまっている」ことは、落語にはある程度必要なものだし、それで客も安心して聞いていられる。でもその分、展開が予測できてしまうので、ちょっと後半ダレたかなあ。ネタの軽さに比べて、いろいろと盛り込みすぎて、長すぎるというのもあると思う。八天さんのマクラも長すぎ。つかみとしても、あれは長すぎる。
書く方の心理として、ひとつのネタだけではどうも頼りなくて、つい、あれもこれも、といろいろ入れたくなってしまうというのは、すごくよくわかるのだが、本当は、メインのネタはひとつだけで、前半で仕込んで後半でわっと笑わせ、それで十五分から二十分、というのが、軽い噺のひとつの理想の形なのだろう。いや、もちろんわかってても、そんなことはなかなか出来ませんよ。出来ませんけどね。
たぶんお手本したのであろう「しまつの極意」自体、全部やると長すぎると私は思っているが、でもあれは最後にああいう謎解きのオチがあるので、それでカタルシスが得られるところがある。やっぱり新作は容赦なく刈り込まんといかんなあ、というのが同じ書き手としての印象。
で、あいかわらずのだらだらトークをはさんで、新作二席目。
「げにおそろしきは」牧野修・作。
あれだけやる前に、嫌な話ですよ嫌な話ですよと言いまくって、ハードルを上げるだけ上げているにもかかわらず、実際に聞いてみたらやっぱり嫌な話、というのはさすが。会場はずうっと嫌な空気に包まれ、嫌な気分のまま終わった。はたしてこれが落語なのかどうかはよくわからないが、お客を引っ張る力が強いことは確か。嫌な気分になることも含めて。
ただ、サゲにいく直前が、そこまでの語りと違って、説明のナレーションになってしまうので、
ちょっと、もたついたように感じた。あそこさえうまくキマったら、「気味は悪いのに小気味良い」ということになるはず。でも、ではどうすればそうできるのか、というのは、わからない。いろんな人がいろいろやってたら、そのうち誰かが思いつくのではないか。そうなればいいなあ、と思う。実際、落語というのはそうやって出来てきたのだし。
というわけで今回もおもしろかった。
それはそれとして、今回いちばんびっくりしたのは、あの仕事をしない田中哲弥が、「仕事をせなあかんから」と打ち上げに来なかったことであった。
あと、打ち上げのとき、田中啓文が買ったばかりのCDをくれた。
「えっ、なんでくれるの?」
「間違えて二枚買おてしもたから」
さらに、牧野さんには妖怪の本をあげている。
「えっ、なんで?」
「間違えて二冊買おてしもたから」
大丈夫なのか、というか、あきらかに大丈夫ではないな。
*打上げの場にあったもの。
無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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