その37
【カメ人間日記】
(2001年4月)
四月一日(日)
『昔、火星のあった場所』のゲラ校正。
文庫版のあとがきを書く。
*チキンカレー、ヨーグルト。
四月二日(月)
ゲラ校正。
『人面町』ちょっと書く。『牛丼DNA』は未だ座礁したまま。
*チキンカレー、ヨーグルト。
四月三日(火)
「らく-がき」の公演のため、東京へ。
下北沢というのは駅前を見る限りなかなか暮らしやすそうな町だ。
*弁当
四月四日(水)
九時に劇場入りして、リハーサル。本番が、一時と四時の二回。
終わって、現場で乾杯だけして解散。
**書店のMさんに会って、ゲラを渡す。
いやしかし、あれがここから出るとは、本当に不思議だ。
京橋のカプセルホテルに泊まる。大阪の京橋ではなく東京の京橋だぞ。わあいわあい。カプセルホテルというのは初めてなのだが、なかなか変てこ空間でおもしろかった。
*弁当
四月五日(木)
新幹線のなかではずっと寝ていたし、大阪に帰ってきてもぼんやりしていた。
夜、『チキンラン』の試写。最初から最後まで目が離せない。日本語吹き替え版なのでどうかなあと思っていたが、優香の声は意外に合っていた。声優でない人が吹き替えをやると妙に色っぽくなる場合があるが、これもそう。
*チキンカレー、ヨーグルト、ほうれん草サラダ。
四月六日(金)
とくになにもしていない。
*春菊と小松菜のおひたし、サヤエンドウ、味噌汁、ご飯。
四月七日(土)
劇団関係の仕事で天王寺あたりにいた。
*弁当。
四月八日(日)
前日と同じ。
*タコヤキ、ヤキソバ、チーズケーキ。
四月九日(月)
昼間ちょっと書いて、夜はHEPホールでの転球劇場『JACK』を観に行く。登場人物が多すぎるのか、全体的にはまとまりが悪い。全員に見せ場を作ろうとするのはちょっと無理があるのではなかろうか。それでもオープニングなんかはもうお見事としかいいようがないのである。
*ニラ玉、カニカマボコとセロリのサラダ、玄米、いかなご、紫蘇、ほうれん草バター炒め、小松菜おひたし。
四月十日(火)
最近、ヘッドホンをつけてカセットテープを聴きながら走っている。これが楽しいおもしろい気持ちいい。道路でこれをやると車にはねられるので、扇町公園をぐるぐる廻っている。本日のテープは『クールの誕生』マイルス・デイビスでした。
*チキンカレー、イチゴヨーグルト、ほうれん草バター炒め、カニカマとセロリのサラダ、チーズケーキ。
四月十一日(水)
いちおう書いているのだが、なんだかよくわからない。これはいったい何を書いているのだ。とりあえず、早急にザリガニを釣りに行かなければならないことだけはわかったのだが。いや、待て、今は調べるだけ調べて、夏になってからにすべきか。
夜は京阪神少年少女楽団の練習。
*豚バラレンコン、ほうれん草のサラダ、カニカマとセロリのサラダ、チーズケーキ。
四月十二日(木)
朝から工事の音がうるさい。このあいだ隣の建物の壁の欠片が、うちのマンションのごみ捨てに落ちてきたのである。欠片とはいっても三十センチくらいはある塊で頭に当たったらまず死ぬ。毎晩ごみを捨てに行くのはぼくなのでこのままではぼくの命がとても危険であぶないのである。それで大急ぎで工事をしているのだ。
昼間はだらだらとノートに文章を書き散らし、夜は劇団の稽古。
*ドライカレー、ほうれん草のサラダ、カニカマとセロリのサラダ、小松菜のおひたし、はっさく、イチゴヨーグルト。
四月十三日(金)
あんまり憶えてない。
*あゆ塩焼き、いかなご、紫蘇、和風サラダ、豚汁、果物とチーズのサラダ、白米。
四月十四日(土)
昼間はだらだらして、夕方になってから北浜のあたりにあるシナリオ学校で田中哲弥さんの授業を聴きに行くと、すぐ前の道路で田中啓文さんには会うわ向かいの道路を牧野修さんは歩いているわ教室に入ると小林泰三さんはいるわで、もうぐちょぐちょのにゅるにゅるなのであった。
*中華料理屋メニュー。
四月十五日(日)
あんまり憶えてないので小説を書いていたことにしておく。
*豚マン、バッテラ。
四月十六日(月)
ちょっとだけ書いてはラッパを吹き、またちょっと書いてはラッパを吹く。
*ねぎ玉子焼き、豚汁、ほうれん草バター炒め、和風サラダ、いかなご、紫蘇、白米。
四月十七日(火)
妻の実家でもある以前住んでいたアパートに荷物の整理をしにいく。前にいた部屋にそのままにしていたのを、ちょっと別の部屋に移さなければならなくなったのである。
書いたことすら忘れていたいろんなものが出てきて気持ち悪かった。まあ使えるかもしれないので持って帰ってきたけど。
ついでにウクレレも持って帰ってくる。
*寿司。
四月十八日(水)
小説も書かずにウクレレで遊んでいるうちに日が暮れてしまう。
夜は京阪神少年少女楽団の練習。
*干し太刀魚、いかなご、紫蘇、豚汁、和風サラダ、白米。
四月十九日(木)
発起塾高知校の公演の手伝いのため、昼過ぎに天王寺を車で出発。大きい橋を二本こえて夕方には高知。そのまま稽古に参加。終わって、ビールを飲んで寝る。
*弁当。
四月二十日(金)
朝からリハーサルと場当たりにゲネプロ、夕方に本番をやって打ち上げ、それから車を運転して大阪を目指すのだ。ああしんど。
*打ち上げメニュー。
四月二十一日(土)
早朝、無事大阪に到着。
ちょっと寝て、あとはだらだら過ごす。
*玄米、紫蘇、いかなご、ほうれん草のバター炒め、味噌汁、干し太刀魚、フルーツサラダ。
四月二十二日(日)
ちょっとだけ書いて、あとはだらだら過ごす。
*かきあげうどん、ブルーベリータルト。
四月二十三日(月)
『牛丼DNA』はまだ座礁中。そのあいまに妙なものを書いたのだが、どうするかまだ決まっていない。もうしばらく寝かしてそれからまたいじって、それから考えることにする。
夜、『ショコラ』の試写会。なんということもない話なのに最初から最後までおもしろかった。あの町並みを見ているだけでも楽しい。音楽とかセットとか衣装とか、とにかくいい部品をつかって組み立てられた映画だなあと思う。あ、役者ももちろんよかったです。
帰り、焼肉食べ放題の店に行く。なんと980円で食べ放題、しかもご飯もサラダも果物も取り放題なのだよれいひー。
*焼肉食べ放題。
四月二十四日(火)
昼間はだらだら、夜は劇団の稽古。
公演まであと二ヶ月。
*玄米、紫蘇、いかなご、味噌汁、フルーツポンチ、ブルーベリータルト。
四月二十五日(水)
近所の映画館に『グリーンマイル』を観に行く。妻は長すぎると言っていた。まあそれは認めるが、それを差し引いてもいい映画だった。ラストがきれいに決まれば傑作だったと思うのだが。
それにしても、こういうのを見るとアメリカ映画の俳優の層の厚さを実感させられる。よくもまあこれだけいろんな顔や体型を揃えられるもんだ。
*イカとほうれん草のトマトソースのリングイネ。
四月二十六日(木)
昼間は小説書き。
夜は劇団の稽古。
なんとまあ今度の芝居では舞台に飛行機を出さなければならない。もちろん我々が作るのである。
帰宅してから、とりあえず二十分の一の模型を割り箸と針金と厚紙を使って作ってみる。
*一口カツ、味噌汁、白米。
四月二十七日(金)
妻がもらってきたタダ券で食博というものに行く。まあいろんなところで試食があったりしてそれはいいのだが、全体にあまりやる気が感じられないのはどういうわけか。屋台村とあまり変わらないように思うのだが。
*筍の煮物、味噌汁、アンパン、バジルバゲット。
四月二十八日(土)
久しぶりに川原に行く。妻とウニケットを行い(ウニケットについては過去のカメ天国通信を参照)、以前ネパールで買ってきたポケット・トランペットを吹いたりする。
夜、劇団の稽古。模型を持って行き、材料等の問題点を検討。
*焼きホタテ、バジルバゲット、スイートポテト。
四月二十九日(日)
なんとなく書く気がしなかったので岡本綺堂の怪談などを読んで過ごす。おもしろいなあ。
*山菜御飯、味噌汁、ほうれん草サラダ、スイートポテト。
四月三十日(日)
民博のアルバイトの焼肉宴会。緑地公園でやったのだが、やった場所は緑地などではなく思いっきり普通の公園である。目の前は道路と住宅、ブランコと滑り台と砂場などで親子が遊んでいるところに勝手に肉やらビールやらワインやらを広げ二時から夜の十一時過ぎまで飲み食いを続けたのであった。
*焼肉その他。
無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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