カメ天国通信


その46

【カメ人間日記】
(2002年1月)

一月一日(火)
 妻がついに年賀状作成に立ちあがった。例年通りプリントごっこである。ぺたぺたとプリントした年賀状を並べていくのが私の役目。
*鯛蕎麦、スペアリブ、マロンケーキ。

一月二日(水)
 年賀状を作っている。その合間にちょっとだけ小説を書いたり、商店街をうろうろしたりする。駅前の大型薬局でチョコレートが安売りしていたのを見つけ、むさぼり買ってしまう。子供の頃には絶対に出来なかったことだ。ああ大人っていいな。真夜中、年賀状完成。
*鯛の浜蒸し、セロリとカニカマのサラダ、はんぺんバター焼き、ニラ玉、白米、焼き鱗とレタスのサラダ、キャラメルチーズケーキ。

一月三日(木)
 年賀状を書いたり小説を直したりする。
 夜、ちょっと走る。今年の初走りである。
*雑煮、鯛の浜蒸し、白米、ニラ玉、セロリ、キムチ、キャラメルチーズケーキ。

一月四日(金)
 ちょっと書いて、あとはだらだら。
*鯛ご飯、鯛の吸い物、鯛の鱗焼き、レタス、はんぺんバター焼き、セロリ、キムチ、キャラメルチーズケーキ。

一月五日(土)
 扇町ミュージアムスクエアのフリーマーケットに行く。文庫本を二冊買って二十円。帰りにUFOキャッチャーをやる。実は、妻がこのあいだ貰った只券で毎日一回ずつ、二十日間やれるのである。年末からほぼ毎日やっているのだが、今日はついにゴジラのソフトビニール人形を手に入れる。直接釣り上げるのではなく真ん中にある箱を取るのである。何度か持ちあがったのだが、移動するときに落ちてしまうのでこんなものはとれるわけがないと内心思っていたのだ。ところが、とれた。びっくりした。やったぞゴジラ。でかいぞゴジラ。長いぞシッポ。
*生ハム、レタス、バケット、チーズ、リンゴ、キャラメルチーズケーキ、ゼリー。

一月六日(日)
 部屋の掃除をしたりいろいろと片付ける。
*水炊き。

一月七日(月)
 大阪新聞の人が取材に来る。部屋の隅で寝ていた亀が起きてきてごそごそ歩きまわる。亀を膝の上で寝かしつけながらぐだぐだとしゃべる。
*鯛ご飯、味噌汁、セロリ、キムチ。

一月八日(火)
 だらだら過ごして夜になったので、四十分ほど走る。
*皿うどん、味噌汁、レモンパイ、ザクロ。

一月九日(水)
 K書店のSさんとHさんに会っていろいろと話す。ほとんどはマラソンとかそんなこと。高橋ってすごいですよねえ、とか。
*生ハムサラダ、白米、味噌汁、舌平目のムニエル、レモンパイ。

一月十日(木)
 接骨院へ。
*チーズ、卵、スペアリブ、白米。

一月十一日(金)
 文章をいじったり、書いたり。
 夜、ちょっと走る。
*ニラ玉、野菜炒め、スペアリブ、白米、レモンパイ。

一月十二日(土)
 京都へ。「SFが読みたい」に載せる座談会とかで、ぐだぐだと喋る。そのほとんどは、田中麗奈とかそんなこと。
 そのあとで、かめくんの日本SF大賞受賞を祝う会というのが開かれ、いろんな人たちがわざわざ来てくれるのであった。まあこういうことは一生に一度くらいだろうから、遠慮なく祝っていただくことにする。皆様ありがとうございました。
 さて、ここで問題です。

我孫子武丸 北野勇作 喜多哲士 小林泰三 塩澤編集長 菅浩江 田中哲弥 田中啓文 谷口裕貴 野尻抱介 林譲治 藤原ヨウコウ 冬樹蛉 堀晃 牧野修(敬称略)

 集まってちゃんこ鍋を食べているこのなかに、1962年生まれは何人隠れているでしょう?
 正解は勝手に調べてください。
*ちゃんこ鍋、他。

一月十三日(日)
 あんまり憶えてないが、朝の八時半頃に電話帳を持って来て前の電話帳をよこせという人が来たのだが、日曜の朝八時半にそんなことを言われて、普通の人は迷惑ではないのか。それともこれはNTTの嫌がらせなのだろうか。そんなことをされる憶えはないのだが。
 それにしても、この電話帳というものは、もう一般家庭には必要ないのではなかろうか。資源と人件費の無駄だと思うのである。欲しい人だけ取りに来てください、でいいのではないか。それとも、じつはもういらないことが世間に知れてしまうと大変なことになるのだろうか。不可解である。
*ラーメン。

一月十四日(月)
 どうも最近ビンラディン氏の潜伏先を夢に見るのが流行っているらしい。
*水餃子、はんぺんバター焼き、カッテージチーズと焼き鱗とレタスのサラダ、レモンパイ。

一月十五日(火)
 あんまり憶えてない。
 夜、劇団の稽古場に行ったような気がする。
*焼き餃子、野菜スープ。

一月十六日(水)
 昼間だらだらしたりして、夕方歯医者に行く。定期検診である。久しぶりに京橋の商店街を歩く。天神橋筋とはまた違うおもしろい商店街である。
 夜は京阪神少年少女楽団の練習。
*蟹、レンコン炒め、饅頭。

一月十七日(木)
 接骨院へ行く。
 ちょっと書いたり読んだり。
*豚キムチ、野菜炒め、カッテージチーズと焼き鱗とレタスのサラダ、野菜スープ、白米、はんぺんバター焼き、レモンパイ。

一月十八日(金)
 憶えてない。たぶん喫茶店で小説の下書きをしたり公園でラッパを吹いたりしていたのだろう。
*うどん鍋、レモンパイ。

一月十九日(土)
 某シナリオ学校で田中哲弥さんの授業があるというので、夕方から見物に行く。行ってみるともうすでに満員で、田中啓文さんや小林泰三さんやら牧野修さんなども見物に来ていて、さすがは人気者である。ネタは去年と同じで、途中で喋ることがなくなるところも、例をあげようとしてタイトルも作者もわからなくなるところも、精密機械のようにまったく同じであった。そのあと例によって中華料理屋に行ってだらだらどうでもいいことを話す。
*唐揚げやらヤキソバやらチャーハンやら。

一月二十日(日)
 田中啓文さんのやっているユナイティッドジャズオーケストラというバンドのライブに行く。しばらくすると牧野修さんがやってきた。オモチャショーとかいうものに行っていたらしい。それがどういうものなのか詳しくは知らないが、牧野さんが行くくらいだからオモチャにされたりオモチャにしたりするショーであることは確かだろう。牧野さんにオモチャにされるのはすごく痛そうなので嫌だ。牧野さんが来た目的は演奏を聴くというよりチョコベーダーを渡すことにあったらしい。でも演奏もかっこよかった。なんでもこのバンドは二年にいちどしか演奏しないらしく、ぼくはたまたま二年前有馬で目撃したである。幸運なことだ。あのとき田中さんは光に集まってくる虫を食べながらしゃべっていたが、今回は残念ながら虫はいなかった。でも今回もあいかわらず虫を食べながらのようにしゃべっていたところは偉い。さすがは虫虫大行進ホラーを書くだけのことはあるなあと感心した。
 あとで牧野さんと藤木稟さんとそのマネージャーさんと四人で飲みに行ったのであるが、男女二人ずつというまあ色っぽいとも言えなくはない組み合わせだったにもかかわらず、結局しゃべった内容は映画『北京原人』のストーリーというのが我ながら情けない。うぱー。
*スパゲティとかいろいろ。

一月二十一日(月)
 劇団の稽古場で唐口さんよりトランペットのレッスンを受ける。民俗学博物館のメンテナンスの時期も迫ってきた。あのアルバイトはいろいろとおもしろいので今年も行くつもり。「かめくん」でも使わせてもらったし。
*玄米、鳥軟骨と野菜の煮物、ニラ玉、豚汁、マッシュルームとカッテージチーズと、キウイとレタス。

一月二十二日(火)
 だらだらすごす。e-novelsのエッセイとか書いたり。

一月二十三日(水)
 あんまり憶えてない。

一月二十四日(木)
 まったく憶えてない。
*水炊き。ケーキ。

一月二十五日(金)
 夜、大学の落語研究会の頃の先輩後輩が日本SF大賞のお祝い宴会を開いてくれる。ありがたいことである。それにしても、皆でお金を出しあってプレゼントしてくれたのが、M16のエアガンとは、あいかわらずアホである。絶対自分では買わんでしょ、そういうのをプレゼントされるのが嬉しいんですわ、などと彼らは言うのであるが、自分で買うようなものを貰うほうが嬉しいに決まっているのである。なんで何が欲しいか尋ねてくれんかったんや、とかぼやきながら重くてでかいM16を抱えて商店街を歩いて帰宅。
*中華いろいろ。

一月二十六日(土)
 だらだらしていた。
*カレー、ヨーグルト、チーズケーキ。

一月二十七日(日)
 憶えてない。
*ラーメン、チーズケーキ。

一月二十八日(月)
 憶えてない。
*カレー、ヨーグルト、カレースープ、カッテージチーズ、フルーツサラダ。

一月二十九日(火)
 憶えてない。
*弁当。

一月三十日(水)
 憶えてないが府立図書館には行ったようだ。
*パエリア、カッテージチーズ、フルーツサラダ。

一月三十一日(木)
 千里の民俗学博物館でアルバイト。メンバーは同じ。アフリカ方面を点検してまわる。
*豚角煮、サラダ、白米、キムチ、味噌汁。




無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
[  カメ天国通信 に戻る |  前のページへ |  次のページへ ]