カメ天国通信


その49

【カメ人間日記】
(2002年4月)

四月一日(月)
 夕方から弁当を持って亀天国で花見と亀見。
*マツタケご飯おにぎり、文旦、西瓜。

四月二日(火)
 夜は劇団の稽古。
*揚げ春巻、揚げ海老セン、大根とベーコンのサラダ、野菜とベーコンのスープ、西瓜。

四月三日(水)
 夜は京阪神少年少女楽団の練習。
*焼肉。

四月四日(木)
 接骨院へ。ついでに天王寺で亀を見る。
スッポンも見る。あの亀の池には少なくとも二匹のスッポンが棲んでいる。それもかなりでかいのである。
*玉葱とニンニクとアンチョビのスパゲティ、サラダ。

四月五日(金)
 ホクテン座で『リリイシュシュのすべて』を観る。市川実和子を観るだけでも充分価値はあるのだが、他にもいろいろとおもしろいところがあった。市川実和子と亀のツーショットは見たかったような気もするが、でもあの台詞だけで充分である。どんな台詞かは書きません。家に帰って来てからもずっとそのシーンを思い出しては、かわいいなあ、とつぶやいたり、ほげらー、としているばかりで、妻をおおいに呆れさせる。
*鶏肉と野菜の鉄板焼き、サラダ、苺タルト。

四月六日(土)
 劇団の用事で天王寺へ。
*弁当。

四月七日(日)
 劇団の用事で天王寺へ。
*弁当。

四月八日(月)
 今年初めて亀が餌を食べる。食パンをひとかけら。
 夜は民俗学博物館のアルバイトの打ち上げ。恒例の寿司屋宴会である。
*寿司、他。

四月九日(火)
 ちょっとだけ書いて、あとはぶらぶらする。最近、季節のせいかものすごくよく寝る。布団から出るのが、昼間の一時とか二時である。さすがにまずいなあとは思うのだが、思うだけではなんともならない。
 夜、稽古場で劇団会議。六月の公演について。
*タイカレー、千切りキャベツ。

四月十日(水)
 ちょっと前から書いている短編を書きつづける。観音モナカの話である。
 夜は京阪神少年少女楽団の練習。
*カレー、大根サラダ、ミカン。

四月十一日(木)
 ちょっと書いてから、接骨院。
*カレー、千切りキャベツ。

四月十二日(金)
 短編に手を入れたりラッパを吹いたりして、夕方、中之島図書館に行く。
 中之島図書館は外見も内部も昔の図書館の風情が残っていてとてもいい。夢に出てきそうな図書館なのだ。もっと頻繁に行くことにしよう。
*菜の花のスパゲッティ、千切りキャベツ。

四月十三日(土)
*タイカレー、千切りキャベツ。

四月十四日(日)
 噂の蒲団圧縮袋というのを初めて使用したのだが、うーむ、これはすごい。掃除機で吸い込むと本当にきゅうううと縮んでブロックのように硬くなるのである。いろんなものを圧縮したくなる。そこのお前、お前も圧縮してやろうか。
*菜の花のスパゲティ、サラダ、ミカン。

四月十五日(月)
 K書店のHさんと会って打ちあわせ、とはいってもほとんど何も打ちあわせず、粗大ゴミの話とかをしていたのである。まあとりあえず、あのままいけそうなのでよかった。
*ラーメン。

四月十六日(火)
*炊き込み御飯、味噌汁、野菜炒め、サラダ。

四月十七日(水)
*タコヤキ、饅頭、はっさく。

四月十八日(木)
 接骨院。四天王寺で亀を見る。今日は双眼鏡を持っていく。スッポンが甲羅干しをして口をあけているところを見ることができたのは収穫。こうして見るとやはりスッポンと亀はまるで違う生き物である。今日は前の二匹とは明らかに違う少し小さめのスッポンを確認。三匹以上はいるということか。
*茸のクリームソースのリングイネ、サラダ、パン。

四月十九日(金)
 長編と短編を直し続ける。
*タコヤキ。

四月二十日(土)
 近所の映画館で『ウオーターボーイズ』を観る。ちょっと期待し過ぎたか。
*ホタルイカ甘煮、サラダ、はんぺん、白米、豚汁、ロールケーキ、はっさく。

四月二十一日(日)
*炊き込み御飯、豚汁、トマトとパプリカのサラダ、筍の煮物、チーズはんぺん、ロールケーキ、西瓜。

四月二十二日(月)
 『ミモラ』の試写会に行ったのだが、映画が始まった途端、三年前にネパールに行ったときポカラの映画館で観たインド映画によく似たシーンが出てきて、まあ風景も衣装も同じようなもんやからなあ、などと思っていたら、なんと同じ映画なのだった。ポテトチップスのカレー味のオマケつき。
*お好み焼き、ロールケーキ、はっさく。

四月二十三日(火)
 『突入せよ! 「あさま山荘」事件』の試写会。ほとんどの場合、試写会は妻が葉書を出して当てているのだが、このところよく当たっているのだ。こういうものには波があるらしい。明日も試写会だし、『アトランティスのこころ』はせっかく当たったのに日がだぶって行けない。
 まあいつも思うのだが、やっぱり事実に基づいた映画と言うのは実在の人物やら実在のいろんなものに気をつかったりしなければならないせいか、どうもモヤモヤしたものが残る場合が多い。この話のいちばんおもしろいところはどう考えても警察のズッコケぶりなのだが、いろいろ事情もあってそういう映画には出来ないんだろうなあ。とはいっても、実際にはかなりそういう映画になっているわけで、そのあたりがまたなんだかよけいにモヤモヤしてしまうのである。
*茸のクリームソースのリングイネ、パン、サラダ、はっさく。

四月二十四日(水)
 『パニックルーム』の試写会。よくある話である。わざわざ撮らなくても。タイトルのところだけかっこよかった。
*筍と揚げの煮物、紫蘇、いかなご、卵焼き、はんぺんフライ、トマトとピーマンのサラダ。

四月二十五日(木)
 接骨院へ。そのあと例によって四天王寺で亀を見るのだが、この頃はスッポンを探すことのほうが主な目的になってしまっている。巨大なスッポンが水中の泥をかきわけてもわあああとシルエットだけが見えたりすると、気分はもうUMAなのである。そういえばイルカが馬子のおんびき祭文を初めて観るのもここ四天王寺の境内なのだ。田中啓文ファンにもおすすめのスッポン、いやスポットである。
*菜の花とベーコンのスパゲティ。

四月二十六日(金)
 評判の『アメリ』をようやく観に行く。『デリカテッセン』は大好きなのでもっと早く観たかったのだが、いつ行っても満員という噂に恐れをなして、今になってしまったのだ。全編、目を離すところがない。字幕を読むのがもったいないほどである。なにもここまでやらんでも、というくらい作り込んでいる。続けてもう一回観るという妻を映画館に残し、ダ・ヴィンチのインタビューのため自転車でウエスティンホテルへと向かう。
 一時間半ほどだらだらいいかげんなことを喋って、自転車でたらたら帰っていると地下道の途中で牧野修さんに会う。「あ、今からですか」「そうそう。あ、今までですか」「そうそう」というわけで、たぶんダ・ヴィンチの同じとこに載ってます。
*山芋短冊、紫蘇、いかなご、ニラ玉、野菜炒め、白米、味噌汁。

四月二十七日(土)
 なんと今、うちには亀が三匹いる。さっき、ミドリガメが二匹来たのである。もちろん勝手に来たわけではなく、近所にペットショップが開店し、そのサービスでくばっていたのを貰ってきてしまったのである。亀率百二十パーセントである。どうしよう。
*菜の花とベーコンのスパゲティ、味噌汁。

四月二十八日(日)
 けっこう真面目に小説を書く。
*玄米、ニラ玉、いかなご、山芋のいそべ揚げ。

四月二十九日(月)
 久しぶりに神戸に行く。元町の高架下商店街はやっぱりおもしろい。結局、新開地から元町まで歩いてしまった。
*汁ビーフン、肉まん、桃まん。

四月三十日(火)
 昼は書いて、夜は劇団の稽古。
*山芋短冊、ニラ玉、白米、小松菜と揚げの煮物、味噌汁。




無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラスト)
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