カメ天国通信


その83

【カメ人間日記】
(2004年3月前半)

三月一日(月)
 このあいだから書き始めた長編を、ちょっとずつちょっとずつ進める。一日二時間、時速二枚、それも下書き。うーん、我ながらスローライフだなあ。夜、五十分ほど走る。
*菜の花とブロッコリーとアンチョビのパスタ、大根とキウイのサラダ、カレー饅、カスタード饅。

三月二日(火)
 このところずっと、妻がごとごとごととパン焼き機で粉をこねてカレー饅とかカスタード饅などと作っていたのだが、こんどはなんと小籠包を作ったと言う。小籠包などというものが家で作れるとは思わなかった。蒸し器から出して食べてみると、なるほどちゃんと内部にあつあつのスープが閉じ込められた小籠包だった。へええ、である。
 夜は劇団の稽古。
*小籠包、角煮、卵、にんじん、ほうれん草バター炒め、大根サラダ、白米、文旦。

三月三日(水)
 夜は楽団の練習。
*ラーメン、角煮、卵。

三月四日(木)
 夕方、図書館へ行く。
 夜、四十分ほど走る。
*秋刀魚ご飯、千切りキャベツ、野菜スープ、いかなご、大根煮、大根サラダ、ほうれん草と菜の花のバター炒め。

三月五日(金)
*すき焼き、白米、大根サラダ、はっさく、グレープフルーツ、骨煎餅。

三月六日(土)
 ひさしぶりにギターを引っ張り出してきていじっていると、これがおもしろくてだらだらといつまでもやっているその合間にラッパを吹いたりもするものだから気がついたらもう夕方で、なんとなく「ちちんぷいぷい」やら「おじゃる丸」を観たりしているうちに晩飯になって、ああ今日も一日が終わってしまったなあ。
*菜の花とブロッコリーとアンチョビのパスタ、コールスロー、大根サラダ、グレープフルーツ。

三月七日(日)
 劇団関係の用事で朝から天王寺方面へ。昼過ぎに、ものすごい勢いで降ってきた雪のなかを自転車で帰ってくる。なかなか春にはならないなあ。ベランダの亀も水底で死んだように動かない。心配になって指でつついてみると、迷惑そうにちょっとだけ動くのである。
*赤飯、卵、角煮、大根サラダ、野菜スープ、いかなご、コールスロー、ほうれん草バター炒め、抹茶あずきロールケーキ。

三月八日(月)
 「世界まるみえ!テレビ特捜部」でカモノハシの生態をやっていたのだが、これまで見たことのない映像満載で、じつに素晴らしい内容だった。カモノハシの求愛行動とか、巣穴の内部とか、生まれたばかりのカモノハシとか。それにしても珍獣としか呼びようのない生き物だなあ。まさに「珍獣オブ珍獣」である。
 夜、四十分ほど走る。
*押し麦入りご飯、野菜スープ、菜の花とほうれん草のバター炒め、角煮、卵、いかなご、コールスロー、大根サラダ、グレープフルーツ、抹茶あずきロールケーキ。

三月九日(火)
 夜は劇団の稽古。
*ブロッコリーとクリームソースのペンネ、大根サラダ、グレープフルーツ、コールスロー、抹茶あずきロールケーキ。

三月十日(水)
 ベランダの亀が、水の中でようやく目を覚ました。でもまだ甲羅干しには出てこない。水中から顔だけ出して外を眺めているだけである。四天王寺の亀はもうあんなに出てきているのに。夕方、図書館へ。
 夜、五十分ほど走る。
*水菜サラダ、水餃子、野菜スープ。

三月十一日(木)
 テレビを見ていると、トヨタのロボットがトランペットを演奏している。ちゃんと人口の唇を振動させて吹いているらしい。すごい。しかしこのすごさ、トランペットを吹いたことのある人にしかわからないのではあるまいか。
 トランペットというのは、ようするに先の開いた金属の管なのである。息で、自分の唇を(例えば、おならの音の真似なんかをするように)ぶびいいいいいいいいい、と振動させてそれを管のなかで響かせているだけの、じつに原始的というか肉体的というか、そんな楽器なのである。そんなものを機械が演奏してしまうというのは、まったくすごいとしか言いようがない。じつは「かめくん」を書いていたとき、かめくんにトランペットを吹かせようかと考えたこともあったのだが、レプリカメには唇がないから無理だろうと思って断念したのである。(かわりに、マンドリンを出した)
 しかしトランペットについて特に知識も興味もない人がこのロボットの映像を見た場合は、どうなのだろうか。
 トランペットは、サックスなんかに比べれば指の動きもずっと単純なようにしか思わないだろう。なにしろ押さえるところが三つしかない。それに、吹いているときは、肝心の唇の振動なんか見えないのだから、ただ口にあてているとしか思わないだろう。弦楽器や打楽器や鍵盤と違って演奏中の動きも少ない、というかほとんど直立不動だ。一般的なデモンストレーションとしての効果はあまり期待できないような気がするのだが、はたしてどうなのだろう。なぜトランペットにしたのか、不思議で仕方がない。いや、ほんとにすごいなあとは思うのだが。
 夜は劇団の稽古。
*焼き餃子、水菜サラダ、野菜スープ、蜂蜜ケーキ。

三月十二日(金)
 税務署に確定申告に行く妻についていく。去年からうちは青色申告である。弥生会計とかいうソフトで妻がやっている。書類を提出して、図書館にもよって、そこらをぶらぶらして帰ってくる。へええ、こんなのところに古墳があったのか。
 夕方、稽古場へ。四月の末に一心寺シアターで行われる「タイムリミット」という芝居に出ることになったのだ。今日は、その顔合わせ。
 途中、自転車で信号待ちしていた四天王寺前の交差点からは通天閣と並んで大きな夕陽が見えて、まるで「じゃりン子チエ」のワンシーンみたいだった。なるほど夕陽丘という地名になっているだけのことはある。
*帆立貝のパン粉焼き、若ごぼうの炒め煮、白米、サラダ、蜂蜜ケーキ。

三月十三日(土)
 夕方から、某シナリオ学校に講義に行く。例によって、どうでもいいような話をぐだぐだとして中華屋で飲んで帰ってくる。
*中華屋メニュー。

三月十四日(日)
 マラソン見たり、ちょっと書いたり。
 夜は劇団の稽古。
*押し麦入りご飯、サラダ、ほうれん草バター炒め、ホッケ、豚汁、大福、ベトナム風汁粉。

三月十五日(月)
 午後、トランペットのレッスン。
 夕方から、新世界のフェスティバルゲートへ、バリトンサックス井上智士・ドラム塩入基弘のデュオ『STYLE 』のライブを観に行く。
 いろんなバンドとかユニットが四十分くらいずつやるイベントだったのだが、いちおう、実験的な音楽、みたいなくくりになっていたみたいだが、コンピュータやらエフェクターをいろいろ繋いだりしてごちゃごちゃやっているのはどれも退屈。ライブというより発表会にしか見えない
 対照的に『STYLE 』の曲と演奏は、「隠し砦の三悪人」とか「酔いどれ天使」みたいな、モノクロでぶっとくてぎらぎらした雰囲気があって、見た目もなかなか華があり、かなりおもしろかっこよかった。井上君、また案内ください。
*素麺、豚汁、ベトナム風汁粉。


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