カメ天国通信


その90

【カメ人間日記】
(2004年6月後半)

六月十六日(水)
 台所と塀の間にちょっとだけある土の部分にシダを植えた。そこにチョコエッグのフィギュアなんかを配置してみたりするとこれが箱庭みたいになっておもしろく、ごちゃごちゃと延々いじっている。夜は楽団の練習。
*野菜天麩羅、白米、トムヤムクン、マイタケとモツアレラチーズの炒めもの、豆もやしナムル、サラダ、卵豆腐。

六月十七日(木)
 夜、五十分ほど走る。
*ベーコンと茄子とマイタケのスパゲティ、サラダ、プリン。

六月十八日(金)
 夕方、ひさしぶりに四天王寺の亀の池をのぞく。ここにはほとんどミドリガメとクサガメしかいないのだが、なんと石垣沿いの陸にイシガメばかり四匹、頭を寄せ合うようにして集まっている。わざわざ集まらないとそんなことにはならないはずだが、あれはいったい何をしているのか。イシガメ会議みたいなものでもあるのだろうか。
 そのまま一心寺シアターへ。『バガボンド・ララバイ』(劇団往来+舞夢プロ)を観る。劇中劇中劇みたいな構造なのだが、劇中の現実がまるで現実っぽくないのでそういう構造にした効果はあまり感じられなかった。
*トムヤムクン、キャベツ春巻き、サラダ、鶏たたき、サラダ、プリン。

六月十九日(土)
 蒸し暑い。なんにもできない。だらだらする。
*おにぎり、味噌汁、キャベツ春巻き、豆もやしナムル、サラダ。

六月二十日(日)
 台風が接近とか言っているが、いい天気である。千里中央へ唐口一之クインテットのライブを聴きに行く。前回は劇団の稽古で1ステージしか観ることができなかったのだが、今回は2ステージともトランペットから三メートルの位置でじっくり堪能。まだ日も暮れないうちからビールを飲みながらいい演奏を聴くというのはじつに幸せなことだなあ。終わって外に出ると、台風のせいか暮れかかった空が不思議な色をしていた。
*手巻き寿司、豚汁、アイスクリーム。

六月二十一日(月)
 暴風雨のなか、とても自転車では行けそうにないので歩いて稽古場へ。唐口さんにトランペットのレッスンを受ける。前回に引き続いてB♭のブルース。夕方、台風の通り過ぎた空に虹を見つける。デジカメで虹と亀を撮影。
*コーンクリームシチュー、白米、サラダ、プリン。

六月二十二日(火)
*シチュー丼、サラダ、カニ蒲鉾とセロリのサラダ。

六月二十三日(水)
 夜、五十分ほど走る。
*野菜天麩羅、シチュー、白米、サラダ、カニ蒲鉾とセロリのサラダ。

六月二十四日(木)
 あまり知られていないと思うが、亀は西瓜が好きである。しゃくしゃくと嬉しそうに食う。それから、これはまだちゃんとデータをとって確認したわけではないのだが、亀は太鼓の音が苦手らしい。でも、もしかしたら、うちの亀だけなのかもしれない。
*天ざるうどん、サラダ。

六月二十五日(金)
*コーンクリームシチュー、白米、鶏の唐揚げ、サラダ、カニ蒲鉾とセロリのサラダ。

六月二十六日(土)
 ひさしぶりにビデオで『マーズアタック!』を観たりしてだらだら。それから、ひさしぶりにちょっと真面目に書いた。
*酢鶏、味噌汁、押し麦入り米、カニカマとセロリのサラダ。

六月二十七日(日)
 朝から劇団の用事で一心寺方面へ。
 夕方、堺三保さんが大阪に戻ってきたということで飲みに行くことになったのだが、早く着いたのでひとりでドトールに入っていると隣にいる人が「なめとんかあ、どおらあああ」などと店員に叫び、テーブルと椅子を派手に蹴飛ばして、そのまま店員といっしょに店の外へ行ってしまった。店の隅に残されたのは私とひっくりかえったテーブルと椅子で、店員はなかなか帰ってこないしもうひとりいるらしい店員もなぜかこっちに近づいてこない。私のテーブルは無事だったのだが、しかし周囲は転がったテーブルと椅子にブロックされたようになって、それをどけないとその一角から出られない。店に入ってきた客は、ひっくり返ったテーブルと椅子に囲まれた私を見てぎょっとした顔になり、目をそらして別の一角へと去っていく。でもころがっているこの机や椅子を私が直すというのもおかしなものだし、とても困った、ああいう場合はどうすべきなのだろう、というようなことを、飲みながら話したのだが、なんやオチはないんかい、とか、そんなことより店員はどうなったんや、とか、わざわざここでするような話でもない、とか、どうせ嘘やろ、とか、ぼろかすである。ぼろかすに言ったのは田中哲弥と小林泰三。他に参加メンバーは、林譲治さん都築由浩さん菊地誠さん。そのあとも結局、田中小林と飲んで、シャッターがもうすぐ閉まるからおしまいですとか言われて店を出ると、もうすぐどころか食堂街の入り口のシャッターはしっかり閉まっていて通路は暗い。他の出口を探したが、そっちのシャッターも下りている。なんだか梅田地下オデッセイのようなことになってしまったのだが、知的生命体の造った建造物には必ず非常用の手動扉があるはずだという推論によって無事脱出することができたのだった。大阪駅の改札の前でばったり桂雀三郎師匠と出くわす。師匠と寺田町の駅前で飲んで、すっかりよっぱらって帰宅。なんか、いろいろあった一日でした。
*居酒屋で出てきたぐちゃっとしたものとかいろいろ。

六月二十八日(月)
 だらだらごろごろしていた。亀がまた卵を産みそうだ。
 夜、近所を散歩していると鶏が羽ばたきながら目の前に落ちてきた。トサカの立派なかなり大きな鶏である。
 路地に寝間着姿のおっさんと小学生くらいの男の子が立っていて、このおっさんが鶏を空中高く放りあげているのだ。鶏はばっさばっさと羽ばたきながら、でももちろん飛べないから落ちてくる。その度におっさんは、「よしよし、だいぶ上手になったなあ」「着地成功や」とか鶏に声をかけて、そしてまた放り投げるのである。二人の立っている家の戸が開いていて、裸電球のような明かりがともっているその玄関にはダンボールで作ったけっこう大きな鶏小屋のようなものがある。こけこけこけと鶏が鳴く。おっさんが鶏を屋根くらいの高さまで放りなげる。ばっさばっさばっさ。子供はそれを見ている。頭の上にはピーナツみたいな形の月。なんだか夢の中みたいな光景だった。
 そのまま、一時間ほど走る。
*玄米炒飯、味噌汁、サラダ、カニカマとセロリのサラダ、西瓜。

六月二十九日(火)
*カレーライス、サラダ、ヨーグルト、リンゴ。

六月三十日(水)
 夜は楽団の練習。西長堀まで自転車で。心斎橋のあたりは人だらけで走りにくくて困ったものである。「アカシアの雨がやむとき」というのはかっこいい歌だなあとつくづく思う。帰り、なんでもいいから心斎橋と難波を迂回しようとでたらめに走り、通天閣の横を通って帰宅。なるほど、あそこをああ走るとあんなところに出るのだなあ。
*カレーライス、サラダ、ヨーグルト、リンゴ。



無断転載禁止 (c) Yusaku Kitano/Hiroko Morikawa(イラス ト)
[  カメ天国通信 に戻る |  前のページへ |  次のページへ ]