カメ天国通信


その92

【カメ人間日記】
(2004年7月後半)

七月十六日(金)
 近所の神社の夏祭り。夕涼みをかねてぶらぶらする。
 夜、五十分ほど走る。
*タイカレー、ババロアのシャルロット、西瓜。

七月十七日(土)
*冷やしうどん、トマト、小松菜と揚げの煮浸し、とろろ、かき揚げ、西瓜。

七月十八日(日)
 夕方、天王寺まで散歩。ひさしぶりに大きな本屋に行ったのだが、いやもう、すごい数の本が出ておりますなあ。こんななかで、私の書くあまり売れそうにないような小説が出版されているなどというのは本当に奇跡のようなものだなあ、というようなことを妻と話しつつ帰ってくる。
*豚饅、甘酢団子、西瓜。

七月十九日(月)
 夜、一時間ほど走る。
*玄米、冷奴、豚汁、トマトとモツアレラチーズのサラダ、煮こごり、甘酢だんご、野菜炒め。

七月二十日(火)
 夕方、自転車で『マッハ!』の試写会へ。例によって、妻が葉書で当てたのだ。主演のトニー・ジャーの舞台挨拶というか、それを兼ねたアクション・ショーまである大サービス。いやしかしすごい動きである。とくに縦の回転が切れ。高い、速い、ぶれない、止まらない。舞台の上で、余裕でこんなことがやれるというのは相当なものである。映画は、前半のバンコクの路地の感じとか賭け試合とか追っかけあいとかはかなりわくわくするのだが、後半は単調な格闘ばっかりになってさすがにダレた。惜しいなあ。まああのアクションだけでも充分価値はあると思うが。
*白米、豚汁、山芋短冊、トマトとモツアレラチーズのサラダ、サーモンのバター炒め、プリン。

七月二十一日(水)
 K書店のSさん、Tさん、牧野修さんと、南地で飲み食いする。落語の百年目の「南地てなところに、なんちに行きなはった」というセリフでお馴染みの南地である。
 牧野さんはだいぶ遅れて来たのだがその理由を尋ねると「蟻を捕まえるために大阪城公園へ行っていた」というのだ。今月の末には締め切りがいっぱいあってえらいことだとか言っているのに蟻。しかも蟻探しの途中で雨が降ってきたので、結局一匹も捕まえることができなかったそうだ。やっぱり牧野さんはいろんな意味で本物だなあと思った。
 飲み食いしながら、さながら映画『セント・エルモス・ファイアー』のような牧野さんの青春時代の話を聞いたりする。
*揚げ物、南瓜の冷スープ、造り、鰻、そうめん、他いろいろ。

七月二十二日(木)
 夜、一時間ほど走る。
*白米、烏賊刺身、味噌汁、サラダ、ラタトウユ。

七月二十三日(金)
 ひさしぶりに京橋のツインビルのあたりに行く。毎日のようにこのあたりを歩いていた頃もあったのだが、あの頃とあまり変わっていないなあ。
 しばらくうろうろしてから、ナガオ・ウンダバというレストランへ。店主の永尾氏は妻の知り合いなのであった。妻がアルバイトしていたレストランに勤めていたのだ。店を出したという話は聞いていたのだが、あれよあれよと人気店になって、今では二ヶ月くらい先まで予約でいっぱいなのである。テーブルが四つあるだけの、食べることだけをゆったりと楽しむ店だった。ハーブをふんだんに使った手の込んだ料理はもちろん、パンとバターがやたらとうまいのである。七時からゆっくりゆっくり食べ続けて、終わったのは十一時。
*うずらのサラダ、あかむつのポワレ カリフラワーのクリーム添え、うさぎ背肉としらさエビとセップ茸のキャベツ包み エストラゴン風味のクリームソース、仔牛ロースのグリル すもものソース、スパイスアイスクリーム、マンゴーのシャーベットとフロマージュブラン。

七月二十四日(土)
 朝起きたら亀のタライの水が白骨温泉並に白濁していて、何事かと思ったら水のなかで卵を産んでいたのだった。今回は九個。いったいひと夏に何個産むつもりだ。
 夜、一心寺シアターに『ネクタイの門』(トリオ天満宮A)を観に行く。こまかいところに不満はあるにしても、全体としてはとてもおもしろかった。芝居を観て、おもしろいなあと思ったのはひさしぶり。
*烏賊飯、サラダ、プリン。

七月二十五日(日)
 夜、一時間ほど走る。
*夏野菜のトマトソースパスタ、サラダ、パン、西瓜、プリン。

七月二十六日(月)
 夜、芸術創造館へ三人芝居『キャラメルと弾丸、凪の日のこと』(作・演出 深津篤史)を観に行く。なんにも起こらない話なのだが、最初から最後まで緊張感が持続していた。ちょっと狭いところを狙いすぎという気がしないでもないが、まあ場所が芸術創造館だからそれでいいようにも思う。
 じつは今書いている小説とちょっとダブるところがあって、非常に参考になった。これくらいの規模の芝居が気軽にもっとあちこちで観られるようになればいいと思う。
*焼きビーフン、蜆と豆腐の味噌汁、西瓜。

七月二十七日(火)
 劇団の稽古場でトランペットのレッスン。前回に引き続きブルース。
*白米、鯖の塩焼き、蜆と豆腐の味噌汁、小松菜のおひたし。

七月二十八日(水)
 夕方から楽団の練習のため西長堀へ自転車で。
*鰻丼、小松菜のおひたし、蜆と豆腐の味噌汁、葡萄、西瓜。

七月二十九日(木)
 夜、散歩がてらに桃谷のあたりをうろつく。帰りにメダカを買う。
 五十分ほど走る。
*白米、シチュー、サラダ、西瓜。

七月三十日(金)
 季節はずれの台風接近でものすごい風が吹いている。ベランダの屋根がばたんばたんと音をたて吹き飛びそうな勢い。ベランダの亀が飛ばされるのではないかと心配になって夜中に覗いてみるとタライの水のなかに沈んでいる。さすがに亀もこんな台風のなかをうろうろするほどアホではない。
*白米、シチュー、サラダ、西瓜、葡萄。

七月三十一日(土)
 ひさしぶりに涼しい一日。朝のうちにちょっとだけ書いて、あとは本を読んだりラッパを吹いたりしてのんびり過ごす。
*発芽玄米、小松菜のおひたし、スクランブルエッグ、蜆と南瓜の味噌汁、豆腐ちくわ、豚肉と野菜炒め、葡萄、西瓜。



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