前代未聞! 無断でわが短篇8篇を集めてまるごと単行本(短篇集)に!

この暴挙は、北宋社(東京都文京区水道2−7−4−501)の社長・渡辺誠によっ て行われた。渡辺は平成10年、わが短篇8篇を、新潮社より刊行の「薬菜飯店」及び 「筒井康隆全集」第3・9・11・17・20巻より抜き出して勝手に編集、これに 「満腹亭へようこそ」という書名を冠して発刊した。小生は16年11月、大阪の古書 店から、「署名落款をしてほしい」と送られてきたその本(5冊)を見て驚き、質した ところ、東京の古書店でゾッキ本として売られていたものであるとのことであった。

小生は新潮社にこのことを伝えると同時に、さらに調査したところ、この北宋社では 2年2月にも「怖い食卓」という渡辺誠自身の編集によるアンソロジイを刊行、その中 にも小生の短篇を無断で収録、さらに6年9月にも「夢見る妖虫たち 妖異繚乱」とい うアンソロジイの中にわが短篇を収録していたのである。

無断収録されたわが作品名は次の通りである。

「満腹亭へようこそ」に無断収録された作品。「あるいは酒でいっぱいの海」「最高級 有機質肥料」「薬菜飯店」「蟹甲癬」「アル中の嘆き」「顔面崩壊」「肥満考」「定年 食」

「怖い食卓」に無断収録された作品。「定年食」「夢見る妖虫たち 妖異繚乱」に無断収録された作品。「タマゴアゲハのいる里」

新潮社、北宋社それぞれの弁護士による何度かのやりとりののち、5年2月より連絡 が途切れて以来現在まで回答が一切ないため、ここに新聞各紙に訴え、北宋社及び渡辺 誠に対して社会的制裁を講ずるものであります。

尚、この事件に関する詳細は、現在発売中の「文學界」2月号に掲載(連載中)の長 篇「巨船ベラス・レトラス」第13回の中で述べています。

筒井 康隆